宮内庁は7月2日から4日にかけて、
3日連続で天皇陛下のご体調とご日程の変更について、発表した。2日「本日午前4時頃、天皇陛下には急なご気分不快がおありで、激しい御発汗がおありであったことから、皇后陛下は直ちに侍医をお召しになりました。侍医の拝診をお受けになったところ、脳貧血によるめまいと吐き気のご症状がおありで、しばらくの御安静と経過観察が必要との判断でした。…」3日「天皇陛下には、脳貧血によるめまいのご症状に加え、軽い腹痛のご症状もおありであることから、侍医の判断により本日もご静養になります。このため…ご公務(ご執務)は、明日以降にお済ませになるご予定です」4日「天皇陛下には、脳貧血によるめまいや軽い腹痛のご症状は改善傾向にありますが、侍医の判断により、大事をとって本日もご静養になります。…ご公務(ご執務)は、本日、ご静養の合間になさるご予定です」と。特に、3日に予定されていた「ご執務」が延期されている事実に、注意しなければならない。ご執務とは何か。毎週、火曜日と金曜日の閣議で決定された書類が、内閣から天皇陛下のお手元に届けられ、陛下はそれらを丁寧にご覧になった上で、ご署名やご押印をなさる(これによって正式に法的効果が生じる)。それがご執務だ。憲法に定める「国事行為」の殆どは、実はこの「ご執務」として行われている。様々なご公務の中でも、法的には最も重大なお務めに当たる。しかも国家の運営上、重要な内容が多く含まれているので、閣議のあった“当日中”に行われるのが、通例だ(那須の御用邸などでご静養中でも、ご公務で地方にお出ましの時でも、わざわざ書類をお届けする)。それを延期されているのは、陛下のご体調がかなり優れなかった為と考える他ない。ご執務は4日に(恐らく無理を押して)行われている。5日からは通常のご公務に復帰された。でも我慢強い陛下でいらっしゃるだけに、心配だ。政府には、くれぐれも陛下のご体調に配慮して欲しい。場合によっては、皇室会議を再び開催して、ご譲位の日取りを「前倒し」するという選択肢も、
考慮すべきだ。