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高森明勅
2018.7.7 07:00皇室

宮内庁、3日連続で天皇陛下のご体調を発表

宮内庁は7月2日から4日にかけて、
3日連続で天皇陛下のご体調とご日程の変更について、
発表した。
 
2日
「本日午前4時頃、天皇陛下には急なご気分不快が
おありで、激しい御発汗がおありであったことから、
皇后陛下は直ちに侍医をお召しになりました。
侍医の拝診をお受けになったところ、
脳貧血によるめまいと吐き気のご症状がおありで、
しばらくの御安静と経過観察が必要との判断でした。…」
 
3日
「天皇陛下には、脳貧血によるめまいのご症状に加え、
軽い腹痛のご症状もおありであることから、
侍医の判断により本日もご静養になります。
このため…ご公務(ご執務)は、明日以降にお済ませに
なるご予定です」
 
4日
「天皇陛下には、脳貧血によるめまいや軽い腹痛の
ご症状は改善傾向にありますが、侍医の判断により、
大事をとって本日もご静養になります。
…ご公務(ご執務)は、本日、ご静養の合間に
なさるご予定です」と。
 
特に、3日に予定されていた
「ご執務」が延期されている事実に、
注意しなければならない。
 
ご執務とは何か。
 
毎週、火曜日と金曜日の閣議で決定された書類が、
内閣から天皇陛下のお手元に届けられ、
陛下はそれらを丁寧にご覧になった上で、
ご署名やご押印をなさる(これによって正式に
法的効果が生じる)。
 
それがご執務だ。
 
憲法に定める「国事行為」の殆どは、
実はこの「ご執務」として行われている。
 
様々なご公務の中でも、
法的には最も重大なお務めに当たる。
 
しかも国家の運営上、重要な内容が
多く含まれているので、閣議のあった“当日中”に
行われるのが、通例だ
(那須の御用邸などでご静養中でも、
ご公務で地方にお出ましの時でも、
わざわざ書類をお届けする)。
 
それを延期されているのは、
陛下のご体調がかなり優れなかった為と考える他ない。
 
ご執務は4日に(恐らく無理を押して)行われている。
 
5日からは通常のご公務に復帰された。
 
でも我慢強い陛下でいらっしゃるだけに、心配だ。
 
政府には、くれぐれも陛下のご体調に配慮して欲しい。
 
場合によっては、皇室会議を再び開催して、
ご譲位の日取りを「前倒し」するという選択肢も、
考慮すべきだ。
高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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